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Atelier

FDY工房の家具はFDY家具デザイン研究所の実験工房でつくられています www.fdyamanaga.jp

ジャパニーズニュースタイルとは?

今では忘れ去られてしまった過去のこと、太平洋戦争敗戦と空襲による被災を乗り越え、急成長を続けるころ、西欧に追い越せ追い抜けの気運が高く、日本の伝統的なものは古いものとして見捨てられ、先進国の物真似ばかりの日本に対してバッシングされたことがありました。そういう西欧コンプレックスから抜け出すために「どうしたら日本の美を現代生活のなかに生き返らせることができるのか?」日本の伝統美の簡素さと、一歩間違えれば何の変哲もない物になりかねないぎりぎりの境界で、FDY家具デザイン研究所主宰山永耕平の創作が始まりました。一方では50ミリから60ミリ、それ以上ある材料をふんだんに使い、それを繊細な部材に変身させる巧妙なテクニックの北欧の家具に対して、こちらは30ミリしかない材料に鉋をかけただけの部材で挑むという無謀としか言いようのないものでした。しかし日本の歴史や文化を振り返ってみると、日本人は木を大切にしてきた民族であり、その性質に沿って縦に割った状態で使用し、極力丸く削ったり、よけいな装飾を施すことをきらいました。それは木材の有効利用の上でも理にかなったことでした。建築や工芸に見られるようなシンプルな美は、そこから来ているのではないか?そこで日本独特の引く式の鉋やノコから生まれる直線の美を家具のデザインに取り入れることによって誕生したのが、FDYのオリジナル製品ローアームチェア、ロッキングチェア、ヒノキノイスです。現代の生活の中に、これが日本の文化といえるものがどれくらいあるのか?現代生活と伝統日本の生活が益々かけ離れた存在になって行くのを傍観せざるを得ない現実があります。そろそろ日本のスタイルの家具が普及しても良い頃ではないでしょうか。

なぜウィンザーチェアなのか?

日本の美の普遍性を椅子のデザインに表現したいと思っていた頃、出会ったのが「民芸の家具」でした。そこでウィンザーチェアを知ることになります。椅子の歴史の浅い日本で、椅子の文化を知るにはイギリスの民芸的椅子であり、現代家具の本流でもあるウィンザーチェアを学ぶべきではないか、しかし実際作るとなると、作る立場で研究した内容のものが日本には皆無であることに直面したのでした。
ウィンザーチェアは18世紀から19世紀末にかけて、その頃までの一部の特権階層の高価な椅子に対して一般庶民の椅子としてイギリスで誕生しました。農村などで作られていた椅子が森の中のクラフトマンたちによって作られるようになり、マニュファクチャーとして量産されるようになります。過酷な労働のなか工業化が進むにつれて、本来の職人による生産から手仕事が簡略化され、大量生産されるようになると、形にも変化が現れ20世紀中葉にはその本来の姿を消してしまいました。後に現代椅子デザインの 源流の一つに上げられるようになりますが、今日流布しているウィンザーチェアのスタイルは、その発展形態といわれるものもあるものの、ほとんどのものが大量生産される以前のウィンザーチェアとはかけ離れたものになっています。当時のウィンザーチェアには、永い年月をかけて形成されてきた職人の手による人間味豊かなスタイルと、我々庶民の心を癒す座り心地が隠されています。一方英国でウィンザーチェアはヴァナキュラ・ファニチュアーの一つでもあるのです。ヴァナキュラ(Vernacular)には「自国の」とか、「その土地固有の」という意味があります。自国の家具・その土地の家具は、自国の木・その土地の木を使う家具なのです。外国の物真似でも、日本が当時そのことを学んでいたら、現代のような他国の木を大量に使うような考えは生まれなかったかもしれません。日本は木の国と言われてきました。自国の木を使った自国の現代家具がそろそろ出現しても良いのではないでしょうか?

FDY家具デザイン研究所 fdyamanaga.jp


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